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覚え書き

兵隊
0
    機械仕掛けの眠らぬ森で
    血を通わせたまま置き去りにされた僕等は
    その赤く流れるものを凍てつかせ
    鉄の玩具となって殺戮を始める

    けれども刹那に煌めく鏡の向こう
    もう一人の僕が泣いている

    相反する二つの心が
    たった一つの殻の中をせめぎ合って
    僕が僕であろうとすればするほどに
    この楽園の大地はひび割れていくよ
    | アベゲ | 14:29 | - | - | - |
    残骸
    0
      僕の腐りきった脚と脚との間から
      赤黒くて昏い何者かが
      ぬめりぬめりと
      乾いた大地を浸食してゆく

      腑の奥底で
      疼き出した鈍い痛みも
      いつしか心の臓にまで突き刺さり
      ばくりばくりと
      僕の胸を食らい尽くす
      跡形もなく

      耳を劈くような慟哭が聞こえる
      これは他でもない僕の声
      僕が根刮ぎ踏み倒してきた残骸たちは
      星屑にもなれないまま
      ただ僕を憎むことしかできずに

      せめて
      僕のこの脚が腐り落ちてしまう前に
      君に出逢えていたらよかったのに
      | アベゲ | 14:17 | - | - | - |
      0
        冥府の川を彷徨う魂は
        きっとこんな色をしている
        この荒野を燃やして踊る
        緑色
        心を焦がして舞い上がる
        蛍の緑
        | スコオリ | 14:01 | - | - | - |
        彼岸花
        0
          崩れかけた墓標に
          祈り続ける彼を俺は知っている
          俺の手を引く背中から
          いつもとは違う匂いがした
          それが手向けの花の香りだと
          解ったのはある雨の日

          俺は知っている
          その祈りが届くことはないのだということも
          俺も彼と同じなのだということも
          | スコオリ | 13:58 | - | - | - |
          風葬
          0
            優しい雨の通ったあとに
            育った草木を風が揺らすよ
            それが世界の全てであればよかったのに
            弓を引いた数だけ私は死んだ
            冷たい墓標は何も語らず立ち尽くすだけ
            あのとき差し出した花輪に込めた
            祈りの言葉おぼえていますか
            私が死んで空っぽになってしまう前に
            どうか貴方がしあわせになれますようにと

            ああそれが世界の全てであればよかったのに
            弓を引いた数だけ私が死ぬんだ
            | スコオリ | 13:56 | - | - | - |