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覚え書き

兵隊
0
    機械仕掛けの眠らぬ森で
    血を通わせたまま置き去りにされた僕等は
    その赤く流れるものを凍てつかせ
    鉄の玩具となって殺戮を始める

    けれども刹那に煌めく鏡の向こう
    もう一人の僕が泣いている

    相反する二つの心が
    たった一つの殻の中をせめぎ合って
    僕が僕であろうとすればするほどに
    この楽園の大地はひび割れていくよ
    | アベゲ | 14:29 | - | - | - |
    残骸
    0
      僕の腐りきった脚と脚との間から
      赤黒くて昏い何者かが
      ぬめりぬめりと
      乾いた大地を浸食してゆく

      腑の奥底で
      疼き出した鈍い痛みも
      いつしか心の臓にまで突き刺さり
      ばくりばくりと
      僕の胸を食らい尽くす
      跡形もなく

      耳を劈くような慟哭が聞こえる
      これは他でもない僕の声
      僕が根刮ぎ踏み倒してきた残骸たちは
      星屑にもなれないまま
      ただ僕を憎むことしかできずに

      せめて
      僕のこの脚が腐り落ちてしまう前に
      君に出逢えていたらよかったのに
      | アベゲ | 14:17 | - | - | - |
      理解
      0
        なにかに期待して
        健やかに眠れるほどわたしは
        清らかではなくなったこと
        水の流れがおしえてくれる
        かなしいことに
        世界の構造を識れば識るほど
        あなたを理解できて
        わたしは不幸になっていった
        | アベゲ | 13:32 | - | - | - |
        深緑の海
        0
          自分を誤魔化し続けることが もうできそうにない
          暗く湿った草花の繁茂する 森に迷い込んでしまった

          いっそのこと このまま腐敗してしまいたい
          土になり水になり
          大きな青の中へ帰ってゆきたい
          流されながら 腐りながら 純化する魂で
          その矛盾さえも享受したい
          何も考えずただ溶けてゆけたら
          どんなにいいだろう

          嗚呼 それなのに現実の私は 未だ
          深い森の中
          この拳銃を手放せずにいる
          | アベゲ | 13:31 | - | - | - |
          水底
          0
            無音の冷たい水底から
            私を引き上げる貴方はずるい
            貴方は私が血潮に溺れることを許してくれない
            この赤く燃える海に突き落としたのは貴方なのに

            私は貴方の引き上げる腕を振り解けない
            そうしていつしか貴方を許してしまう気がする
            赤色のくらい水面から顔出して呼吸して
            そこで初めて貴方の声を聴く
            伏せた睫毛から覗く瞳だけが青かった
            | アベゲ | 13:30 | - | - | - |